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執筆者の写真水口 貴成

ケアスマイル通信 №7 五十肩とは?原因、症状、治療法について知ろう

更新日:2023年6月8日

こんにちは皆さん

西宮市甲子園口北町で鍼灸マッサージ院(はり・きゅうマッサージ院 ケアスマイル)をしている水口です。


今回のテーマは「いわゆる五十肩」についてご紹介します。


いわゆる五十肩で用いられる鍼治療については、YouTubeチャンネルでも説明していますので、興味のある方は下記のURLにリンクを張っておりますので、ご覧ください。



まず肩関節周囲炎と肩関節の痛みで用いられる病名について説明させていただきます。


肩関節周囲炎とは40~50歳代にみられることが多く、いわゆる四十肩や五十肩の別称です。ほかの言い方でいうと「凍結肩」と呼ばれることもあります。


この肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)は病気の原因が明らかなものは除いて、肩の痛みや可動域が主訴として見られる場合に診断されます。


ちなみに、原因がはっきりしている肩の障害は以下のとおりに分類されます。

 ①石灰性腱炎

 ②腱板炎

 ③上腕二頭筋腱炎

 ④肩峰下滑液包炎

 ⑤烏口突起炎

 ⑥肩鎖関節炎

 ⑦腱板断裂など


これら、明らかな問題がなく、肩の痛みや可動域の制限が認められたら肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)と診断されます。


このように肩の病名には様々なものがある一方で、多くの肩関節の障害というのは、だいたい同じような症状がみられます。

 ・痛くて動かせない

 ・痛みで眠れない

 ・動かすと痛い

 ・触ると痛い

 ・重いものを持つと痛いなど


なので、どの分類なのかを判断することが専門家でも難しいところです。

しっかりと分類を把握するためには、丁寧な問診や検査を行う必要があります。


今回はこのなかでも「いわゆる五十肩」を中心に説明させていただきます。


改めて、いわゆる五十肩は、特定の年齢層によく見られる肩の痛みや運動制限の状態を指します。


人口の5%程度に発症するとされています。


一般的に女性に多く、両肩に出るケースも意外にあります。


痛みや制限が生じることで、日常生活や仕事に影響を及ぼすことがあります。


では、いわゆる五十肩の原因、症状、そして治療法について詳しく見ていきましょう。


1.いわゆる五十肩の原因

 五十肩の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。主な原因は、肩関節周囲の組織の変性や炎症です。加齢による組織の劣化、これに日常的な動作で生じる動的なストレスによって微小な損傷、炎症が起こり、異常な血管の増生と関節が固まってしまい動かなくなると考えられています。


2.いわゆる五十肩の症状

 五十肩の主な症状は、肩の痛みや可動域の制限です。痛みはしばしば夜間や活動時に増悪し、特に肩を動かす際に強く感じられます。また、肩を動かすことが難しくなり、肩関節の可動域が制限されることもあります。これらの症状は、日常生活での活動や仕事に支障をきたす可能性があります。


3.いわゆる五十肩の病期

 いわゆる五十肩には3つの病期、急性期、慢性期、回復期といった症状の段階があります。

 ①急性期(疼痛期)

 痛みが最も強い時期を指します。症状が強い場合は動かさなくても痛みが起こり、夜間に痛みが起こるため、眠れない(入眠時障害)ということがあります。まだ、この時期では痛みがあるけど無理すれば肩を180度上げることができる人が多いです。


 ②慢性期(拘縮期)

 これは、痛みは少なくなるが関節が固まって動かしづらくなる時期を指します。この時期になると、どの方向に肩を上げても痛みで肩があがらなくなります。衣服の着脱が困難となり、夜間では痛みで目が覚める(途中覚醒)がみられることが多いです。


 ③回復期

 可動域が徐々に改善し、運動時の痛みもなくなる時期を指します。ここまでくれば、医療機関や治療院の受診をやめる人が多くなります。


 これらの経過を経て、約1~2年で自然軽快、いわゆる自然に症状がなくなっていきます。なので、昔はほっとけば治るとされていました。


 しかし、自然軽快した人、ほったらかした人では、約半数に痛みや可動域制限などの症状が残ってしまうということが明らかになりました。

なので、今では積極的な治療を行うことが重要となってきました。


4.いわゆる五十肩の画像診断

 単純なレントゲン、MRIでも目立った損傷がみられないのが特徴です。MRIでは関節包が肥厚していたり、わずかに肩関節周囲に炎症がみられる程度と言われています。

ただし、腱板断裂の場合は、レントゲン、MRIでしっかりわかります。いわゆる五十肩と腱板断裂の治療方針は異なるため、徒手検査や痛みが強くて気になる方は、しっかり検査をうけることをお勧めします。


4.いわゆる五十肩の治療法

 いわゆる五十肩の治療法には、非手術的なアプローチと手術的なアプローチの両方があります。多くの場合、最初に試されるのは非手術的な治療です。また、治療のポイントは病気の段階(病期)にわけて治療を進めていくことが重要となり、急性期なのか、慢性期なのかで治療方針が異なります。


 ①急性期

 炎症がメインであるため、薬物療法や鍼治療による痛みのコントロールが重要となります。医療機関では主に、湿布、塗り薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ブロック注射などが行われます。


 当院であれば、肩甲骨周囲に付着している肩関節を動かす筋肉に対して、マッサージをしたり、鍼をいれて10~15分ほど置いたりして様子をみます。マッサージでは関節周囲の筋緊張の緩和、鍼治療では鍼治療特有の鎮痛作用を利用しています。


 ②慢性期

 関節包の肥厚や可動域制限がメインであるため、運動療法が治療のメインとなります。医療機関では、リハビリテーション(機能訓練、肩甲骨周囲筋群訓練)、温熱刺激などの物理療法などが行われます。


当院において、この段階でのマッサージや鍼治療は、筋緊張の緩和や血流改善による痛みの緩和を行い、関節周囲の循環を良くしたのち、運動療法を実施することが多いです。

 筋肉が緊張した状態で運動療法を行っても、関節を十分に動かすことができず、逆に症状を悪化させることがあるため、必ず肩周りの筋肉の緊張を和らげてから運動療法を実施します。



五十肩は、年齢とともに現れる肩の痛みと運動制限の状態です。正確な原因は不明ですが、肩関節周囲の組織の変性や炎症が関与していると考えられています。五十肩の治療は、非手術的なアプローチから始まり、必要に応じて手術が検討されます。もし肩の痛みや制限を感じた場合は、早めに専門家の助言を受けながら、適切な治療法を見つけることが重要です。


以上、気になる肩の痛みがございましたら、ぜひ当院に相談してください。


ブログを最後まで見ていただきありがとうございました。


もしよろしければ次のブログも見てください。



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