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肩こり・首こり(筋膜の滑走障害の疑い)

症状のある部位

【患者】50代 女性

【主訴】
 肩こり(VAS:60㎜→25㎜)

※VASとは臨床の場で広く使用されている痛みの評価尺度です。数値が高いほど痛みの強度が強く、100㎜は「これまで経験した最も激しい痛み」、0㎜は「痛みなし」で評価されます。ここでは痛みに限らず、症状の強度を表しています。

【不定愁訴】

腰痛


【施術回数】 7回

【通院期間】 1か月半

【来院までの経過】
・ 1か月ほど前から首に痛みを感じるようになり、整形外科を受診したが異常所見はなかった。
・マッサージを受けたが期待する効果はなった。
・整骨院にて施術を受け、頚部の痛みは楽になったが肩こりは残存している状態である。

【初診時の状態】
・頚部の動作時痛
 前屈時と左右後側屈時(斜め上を見る動作)に頚部から肩にかけての痛みが出現する。

・神経学的所見
 異常所見なし。
 
・筋緊張と圧痛
 頭半棘筋、板状筋、肩甲挙筋、僧帽筋上部線維、菱形筋

【施術方針】

・後側屈時での肩上部の痛みがみられるため、椎間関節への問題も疑われたが、僧帽筋の浅筋膜層へのリリースにおいて、症状の優位な軽減がみられたため、筋膜の滑走障害(筋・筋膜性疼痛)を疑いました。
 

・また、深筋膜層への刺激よりも浅筋膜層への刺激のほうが症状の軽減がみられたため、手技療法(マッサージ)では表層の筋膜への刺激を意識した施術を実施しました。

【施術の経過】
≪1回目≫
肩こりVAS:60㎜、僧帽筋の浅筋膜層を意識した施術を実施し、後頭下筋群、椎間関節部にも軽く母指で刺激しました。
 
≪2回目≫

肩こりVAS:50㎜、少し軽くなった程度で、頭痛が出たりしたため痛み止めを服用したりして対処していた。


​≪3回目≫
肩こりVAS:40㎜、頭痛があり、今週も痛み止め服用した。

≪4回目≫

肩こりVAS:35㎜、今週は肩こりによる痛みが少し和らいだ感じがした。


≪5回目~6回目≫

初診時にあった強い肩こりによる痛みはだいぶ和らいできた。
 

≪7回目≫

肩こりVAS:25㎜、肩こりに関しては日常生活で困ることが減ってきたため、今後は日常的な疲労感を緩和させるためにメンテナンスとして通院することになった。


【施術の考察】
当初は肩こりのVASが60㎜と強い肩こりを訴えていました。また、マッサージや整骨院に通院しても現状のままであったことから、普通のやり方では改善しないと考えました。通常のマッサージでは、筋肉をしっかりとらえ、揉捏と言ってもみほぐすような施術が基本的ですが、揉捏だと深筋膜層や筋膜へのアプローチとなり、浅筋膜層の問題だと十分な効果が得られないと考えています。今回の場合、かなり軽めの施術のほうが効果的だったと実感しています。刺激する組織をしっかり選択することで、施術の効果を高めることができることがわかった症例でした。

※結果には個人差があり、効果を保証するものではありません。

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