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​どうして鍼灸が効くのか?

1.なぜ鍼灸が効くのか?

 特に鍼灸施術には以下の効果が期待されております。

 ①血行促進(軸索反射)

 ②鎮痛作用

 ③自律神経反射(内蔵へのアプローチ)

 ④免疫系作用

 ⑤種々の神経伝達物質を介してリラックス効果や、中枢神経系(脳・脊髄)に影響を与えるなど

 実際はこれ以外にも複数の要素が絡み合って効果を発揮しているとされています。その中でも特に鎮痛作用に関しては多くの研究結果があげられています。

※鎮痛作用

 痛みは脳に信号が送られて初めて感じられます。脳にその信号が送られるとき、ヒトの体には痛みを抑制するメカニズムが働きます。鍼灸治療はヒトに備わっている鎮痛メカニズムを利用して鎮痛作用を起こしています。鎮痛には以下の種類があげられます。

 ①末梢性鎮痛

 ②DNIC(広汎性侵害抑制調節)

 ③ゲートコントロールセオリー

 ④下降性疼痛抑制系など

 この中で、特に下降性疼痛抑制系は、鍼灸の鎮痛メカニズムを説明するときに用いられることが多いです。このメカニズムを発揮するためには、経穴部(ツボ)や圧痛点に継続した刺激が必要となり、低周波鍼通電は下降性疼痛抑制系を活性化させることができるとされています。​

 ただし刺激を強くすればよいというものでもないため、施術する際には、痛み刺激が起きないように心地よい刺激を心がけます。

2.鍼を刺す部位はどこか?

 当院では東洋医学的な鍼施術では、症状に応じて効果が期待できる経絡経穴(ツボ)に刺激を行います。現代医学的な鍼施術では、筋・筋膜などの問題を中心に考え、トリガーポイントを狙って刺激します。

※トリガーポイント(引き金)とは・・・

 筋・筋膜が原因で起こる痛み(筋・筋膜性疼痛症候群)や線維筋痛症などにおいてみられ、主訴である痛みを誘発する反応点のことを言います。関連痛・放散痛・連関痛とも表現されます。

 皮膚の擦り傷や切り傷・・・・痛みの部位は明瞭!!

 腕立て伏せの翌日の筋肉痛・・・明瞭な痛み?

 肩こり・・・本当に原因は肩?

 筋肉の痛みの大半は、実際に本人が感じている痛みの部位痛みの原因となる部位は一致しないことが多いです。

 つまり、本人が痛みと感じている部位の情報は正しくもあり、正しくない場合もあります。例えば、肩こりも実際は頸部、背中、腕にあるトリガーポイントが引き起こしている可能性があります。

 その症状の原因となっているトリガーポイント(引き金)を見つけ出して刺激することで、症状の緩和を図ります。

※トリガーポイントと圧痛点の違い

 ​圧痛点とは単純に押していたい部位を指します。トリガーポイントは押して痛いだけでなく、以下の条件が含まれています。

 ①索状硬結と呼ばれるロープ上の塊の上に圧痛がある。

 ②圧痛部位とは全く関係ない遠隔部に痛みがある(関連痛や症状の再現)。

 ③圧痛部位を押すと痛みで身体を引っ込める(ジャンプサイン)。

 ④索状硬結を指で弾く、または鍼で刺激すると瞬間的にピクピクと筋収縮がみられる(局所単収縮反応)。

​※トリガーポイントが有効な症状

 教科書的には筋肉痛や筋緊張に有効・・・・だけではない!!

そもそも筋肉は骨に付着しており、関節などを含めた整形外科的な症状に広く対応できる。

 ①トリガーポイントが引き起こすのは痛みだけではない。

 ②しびれや痒み、冷感や熱感などの異常感覚も引き起こす。

 ③トリガーポイントの刺激は自律神経にも影響を与える(おなかが鳴ったり、鼻水が出たりなど)。

​※トリガーポイントが鍼において有用な点

 ①組織選択性で鍼の深さを変えることで、深部の筋肉・関節にもアプローチできる。

 ②副作用が少ない。

 ③短い施術時間でも高い効果が得られる。

 ④刺激量をコントロールできる(高めたり、抑えたり)。

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