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めまい・首肩こりの痛み(良性発作性頭位めまい症)

症状のある部位

【患者】50代 女性

【主訴】
 めまい(VAS:30㎜→0㎜)・首肩の痛み(VAS:40㎜→15㎜)

※VASとは臨床の場で広く使用されている痛みの評価尺度です。数値が高いほど痛みの強度が強く、100㎜は「これまで経験した最も激しい痛み」、0㎜は「痛みなし」で評価されます。ここでは痛みに限らず、症状の強度を表しています。

【不定愁訴】
​片頭痛、生理不順

【施術回数】 5回


【通院期間】 1か月半

【来院までの経過】

・数年前より目の前が回るようなめまい(回転性めまい)と吐き気が現れたので耳鼻科を受診した。

・良性発作性頭位めまい症と診断され、耳石を元に戻す治療を受け、その時は症状が消失した。

・発症してから1年後に再発し、同様の治療を受けたがふわふわ感が残存した。

・頭部CTなどでは異常所見は認められなかった。

現在、横になる時、振り向いたときにめまい感が起こる。

​・Googleマップで調べ、めまい感の軽減を目的に来院した。

【初診時の状態】
・頚部の動作時痛
 左に曲げるときに右側の首と肩にストレッチ痛がみられる。

・神経学的所見
 異常所見なし。
 
・筋緊張と圧痛
 頭半棘筋、板状筋、肩甲挙筋、中斜角筋、僧帽筋に強い緊張と圧痛あり。

【施術方針】
・首や肩の筋緊張が強いため、普段あるめまいが肩こりにより、さらに増悪していると思われる。
・さらに仕事が忙しくなると症状を強く感じることから、首肩こりの緊張をほぐすことで症状の緩和が期待できると考え、週1回の鍼灸治療を実施した。
・鍼灸治療は初めてであり、疼痛軽減テストにおいて浅筋膜層への刺激で症状の緩和がみられたので、鍼の深さは5㎜~1㎝未満とした。
・また、普段からストレスもあり、不安感やイライラなどの症状もみられたため、自律神経系にアプローチするために、足や腹部にお灸を実施した。

【施術の経過】
≪1回目≫
最初に自律神経系のバランスを整えるために仰向けで腹部、足部にあるツボ10か所にお灸、手足末端と頚部にあるツボ8か所に鍼治療を実施した。
その後、​頚部の動きを確認して、ストレッチ痛がみられる筋肉を中心に、うつ伏せで10か所に鍼治療を実施した。
施術直後は効果があまり実感されていなかった。
 
≪2回目≫
首肩こりが以前より少し楽になった感じがみられた。めまいも症状があるが当初よりひどくなくなった。

​≪3回目≫
お灸をしてからお腹の動きがよくなっているのを実感するようになった。仕事終わりにめまいが強く出たが、すぐに治まった。

≪4回目≫
仕事も順調であり、その週はめまい(VAS0㎜)が起きなかった。肩こり(VAS25㎜)も以前に比べると楽になり、お腹の調子が良い状態が3日ほど続いた。

≪5回目≫
3回目の施術以降、めまいが起きなくなり、肩こり(VAS15㎜)も仕事終わりに感じるが以前よりは気にならなくなり、生理不順も解消した。辛かっためまいが落ち着いたので、定期的な通院は終了し、以後は症状が気になりだしたときに来院となった。

【施術の考察】
首肩こりの緊張が強く、めまいの性質が回転性からふわふわ感であったことから、頚性めまいが強く疑われ、首肩こりの軽減が症状の緩和につながったと思われる症例でした。

また、片頭痛、生理不順、不安感、イライラなどの症状から自律神経系を介したアプローチも必要と考え、腹部や足部にお灸を行い、全身を整えたことにより、回復を早めたと思われます。

今回の場合、筋骨格系の問題は筋肉や関節へのアプローチが効果的であり、自律神経系に関連した問題は、お灸による手足末端への刺激が効果的であると実感できた症例でした。

※結果には個人差があり、効果を保証するものではありません。

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